築52年の古民家と言われる我が家には、外壁の一部や屋根瓦に漆喰が使われています。
昔は一般的だったかもしれませんが、今はあまり見ない漆喰。今回は外壁塗装と一緒に漆喰の左官工事も施工してもらいました。
今回はそもそも漆喰って何?という疑問や、工事をして分かった漆喰のメリット・デメリットや、体験談をお伝えします。
施工会社:株式会社ウォースペイントhttps://www.worthpaint.net/
目次
漆喰とは
漆喰は、蔵やお城の壁にある白い壁や、屋根瓦を積むときに使われる伝統的な建築素材です。漆喰を使った壁は、漆喰壁と言われます。
昔、福島県の喜多方市に行ったときに蔵を見学したことがありますが、快適な室温が保たれ見た目も白くてとてもきれいだったのを覚えています。
漆喰が何かを調べてみると
漆喰とは、水酸化カルシウムを主成分とする建築材料。
出典:ウィキペディア
水酸化カルシウムより石灰石と聞くと馴染みがあるかもしれません。サンゴ礁がルーツという意外性があります。
水酸化カルシウムの元となる石灰石に水を加えたものを、硝石灰といいます。
硝石灰に糊(のり)やスサを加えて水で練ったものが漆喰です。
漆喰のメリット
漆喰の4つのメリットを紹介します。
- 消臭・抗菌性がある
- 経年劣化しにくい
- 耐火性が高い
- 見た目がきれい
消臭・抗菌性がある
漆喰の主な成分である硝石灰は、二酸化炭素を吸収することで徐々に石灰石へ戻っていきます。
漆喰が呼吸をすることで消臭効果があり、硝石灰は強アルカリのため抗菌作用があります。
強アルカリというと、ドメストやカビキラーなど塩素系の洗剤が代表例です。
強アルカリは菌に有効ですが、壁などに使用して危ないのではと思うかもしれません。調べたことによると、乾いて固まっている状態では大丈夫と言われています。
経年劣化しにくい
漆喰は徐々に石灰石へ戻っていく過程で硬くなっていくため、経年劣化しにくいと言われています。
ちなみに我が家では雨風に一番さらされた箇所で壁が落ちましたが、およそ築年数45年くらいかと。
他の箇所は一部ひび割れがあったり何もなかったりと、場所によりけりでした。
屋根の漆喰については壁に比べて、もう少し劣化が早かった印象です。
外壁と内装ではまた違うかもしれませんが、その間特に塗装などのメンテナンスはしていなかったと聞いています。
40年を長いと感じるか短いと感じるか、いかがでしょうか。
耐火性が高い
漆喰の主原料である硝石灰(水酸化カルシウム)は、無機質の不燃性なので燃えません。
そのため、耐火性があるのが特徴です。
見た目がきれい
漆喰といえば白という印象があります。
担当者に聞くと白以外もできるそうですが、やはりあの白の美しさは他にはないのではないでしょうか。
塗り方によって感触を変えることや、自然な風合いを感じることができるなど職人の腕を感じられるのも楽しめます。
漆喰のデメリット
漆喰工事のデメリットを合わせて紹介します。
- 工期や費用がかかる
- ひび割れの可能性がある
- 盛職人の減少
工期や費用がかかる
漆喰は左官工事という職人さんによる工事なので、手間と時間がかかる作業です。
時間がかかるということは費用もかかります。
ひび割れの可能性がある
我が家もそうでしたが、漆喰が劣化してくるとひび割れの可能性が高くなります。
もしひびが入ってしまいひび割れが進行すると、壁が剥がれ落ちます。
なるべくひび割れが起きないように、施工の際は信頼できる業者さんや職人さんが求めたいものです。
左官職人の減少
左官工事は技術がいる仕事なので、職人さんの熟練度が必要となります。
塗り方にも個人差が出てしまうそうで、そのための経験や技術の習得が必要な職です。しかし扱える職人さんが減少してきているというのが、問題になっています。
漆喰の調湿効果について
漆喰と調べると「調湿効果」について様々な記事が出てきます。
2つの意見があるのですが、調湿効果があるということとそこまで調湿効果はない、というもので、全く反対の意見です。
調湿効果があるというものに関しては、多数の細かい穴があいているため漆喰が呼吸をする過程で湿度も吸収してくれるというもの。
反対に調湿効果があまりないというものは、呼吸をして硬くなっていくと吸湿性能が落ちていくというものです。
また、昔は土壁が多かったため、合わせて効果があったようでした。
内装の漆喰壁はまた別として、外壁の漆喰は防火性能の目的と、白い壁が月の光に反射しての防犯対策という目的も兼ねていました。
漆喰は体に悪いのか
調べてみると漆喰が体に悪いという記事もありました。
本来はサンゴ礁ルーツの天然素材なはずなのですが、合成に化学物質が含まれていたこともあったようです。
今は法律で、ホルムアルデヒドやシックハウス症候群になるような化学物質の塗料は販売されていないとのこと。
むしろ漆喰の呼吸や抗菌作用が、原因となる化学物質を吸収してくれる効果もあるのだとか。
自然由来の漆喰は、体に優しい素材です。
我が家の問題点
我が家の漆喰に関しては、いろいろな問題がありました。
漆喰壁が剥がれ落ちた
見た目で一番ひどい箇所は、この漆喰壁が剥がれ落ちたところです。
ある日突然落ちました。しかも、本来ならばすぐに修繕するべきところを数年放っておいていました。
それでも雨漏りや水漏れなどはありませんでしたが、このまま放っておいたらどうなっていたかは分かりませんでした。
内部が腐っていた
漆喰を塗ろうとしたところ、内部が腐っていた箇所がありました。
見た目ではほとんど分からなく、工事中に発見されたものです。
写真は補修のために、わざと漆喰壁を剥がしたものでした。
このままでは左官ができないため、基礎工事から行われました。
屋根の漆喰が落ちていた
瓦の隙間にあるもの、これも漆喰です。
ひびが入っていたり、表面がボロボロになっているのが分かると思います。
風にさらされると、たまに破片が落ちてきていました。
瓦の漆喰がきちんと機能していないと、何かの拍子に瓦がずれて落ちてくる危険があります。
漆喰壁左官工事と、屋根の漆喰詰め直しによるビフォーアフター
漆喰は少しずつ白くなる
漆喰を塗った直後はグレーがかった色味で、白いものではありませんでした。
時間が経つことで、硬く白くなっていきます。
実際数日も経つときれいになって、白さが美しいなぁと思いました。
完成後
最後に完成後をご覧ください。
ムラなくとてもきれいな白です。これは職人さんの腕ですね!
瓦も積み直しをしていただき、歪みもほとんどなくなりました。きちんと積み直しをすると、どこに漆喰があるか分からないくらいです。
年数が経っていたために汚れもあり、改めて塗り直しをした漆喰はどこを見てもきれいです。
工期や費用と相談になりますが、日本の伝統的な漆喰左官工事も選択肢の一つとしていかがでしょうか。
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