群馬県にある八寸権現山(はちすごんげんやま)は、山頂91mと群馬で標高が一番低い山です。
低い山といっても登れるかなと不安に思っていましたが、登山初心者の私でも登ってみるとあっという間でした。駐車場から山の頂上までは直線でいけば10分もかかりませんし、山道をぐるっと回りながら歩いても30分ほど。
ゆっくり自分のペースで歩けるので、木々や地面に落ちていた松ぼっくりや栗を見ながら歩けるのも良かったです。
この記事では、八寸権現山を実際に登った登山記録とおすすめの見所をご紹介します。気軽に登ってみたい方や、登山初心者の方にもおすすめですよ。
目次
八寸権現山ってどんなところ?
八寸権現山は群馬県で一番低く、伊勢崎市の住宅街の中にある山です。
山頂91mと低いため一見古墳か何かのように見えますが、頂上には山頂標識(頂上と書いてある木の棒)が設置してあります。
八寸権現山で登山する魅力とは?
八寸権現山で登山をする魅力は、とにかく登りやすいことです。
麓の道路から頂上までは、直線で10分もあれば登れますし、山の周りを歩きながらでも時間はかかりません。傾斜もゆるやかで歩きやすいです。
山道も整備されており、休みたいなと思ったらベンチもあります。晴れた日には、伊勢崎市の街並みや遠くの山々が良く見えるでしょう。
他にもおすすめポイントとして、次の4カ所を後ほど紹介します。
- 八寸権現山の宝塔
- 野鳥観察小屋
- アマドコロの植栽地
- 蓮神社
登山だけではなく、歴史ある遺跡に触れ神社でお参りができ、自然の野鳥と出会えるかもしれない。
そんな魅力あふれる山が、八寸権現山です。
おすすめを先に知りたい方はこちらからどうぞ!
八寸権現山へのアクセス
名称:八寸権現山(はちすごんげんやま) 住所:群馬県伊勢崎市豊城町 駐車場:有り、無料 アクセス(車):北関東自動車道伊勢崎I.Cより約6分
地図
八寸権現山の登山記録
- 登山時間:32分
- 距離464m
私が初めて登ったのは2024年の1月中旬。登山開始は11時ころでした。冬らしく気温は6℃くらいでしたが、風もなく晴れて日差しは温かく感じたほどです。
車は蓮神社の駐車場に停められます。駐車場からすぐに山道があるため、着いてすぐ歩いている方から「こんにちは!」と声をかけられ私も挨拶しました。年配の方々や、ご夫婦やで歩いている方と何度もすれ違います。中学生くらいの部活動中と思われる学生たちは、山道ダッシュをしていました。足腰を鍛えるのにちょうどいい山のようです。
登山時間は全部で30分ほどかかっていますが、麓から山頂まで一直線で登れば10分程度で登れると思います。
北側には公園マップがありました。他にも細道から山道に入るルートも多数ありどこから登ればいいか迷うかもしれません。
そこで、私のおすすめルートを2つ紹介します。
- 駐車場から山を降り、神社の階段を登って駐車場まで来たら、山道に入るルート(降りるのは同じ階段で大丈夫です)
- 駐車場から階段を降り、山に沿って道路を北に歩き、北側の鳥井から入るルート
私は1番のルートで、一度階段を降り神社の鳥居を一礼してから山に入りました。そこから山をぐるっと一周しながら、山頂に向かいます。
ここからはギャラリーでお楽しみください。
八寸権現山のおすすめスポット4つ
八寸権現山に行ったら、ぜひ足を運んでもらいたいおすすめスポットを4つご紹介します。
- 八寸権現山の宝塔(頂上)
- 野鳥観察小屋(頂上付近)
- アマドコロの植栽地(地図上③だが、山中腹全体にある)
- 蓮神社
詳しく解説しますね。
1.八寸権現山の宝塔
最初のおすすめスポットは、権現山の頂上にある宝塔です。
「宝塔」が分からなかったので調べてみたところ、仏塔の一つで多宝如来(ざっくりいうと如来のひとつ)を安置しているものと出てきました。
かわいいお稲荷様もいたので、頂上に着いた記念に手を合わせてお参りしてみるのも良いですね。
宝塔が造られたのは南北朝時代(14世紀後半)と考えられており、昭和48年には伊勢崎市の重要文化財に指定されました。ちなみに南北朝時代といえば、足利尊氏と後醍醐天皇によるそれぞれの幕府擁立から始まり、3代将軍足利義満が南北朝を合一した1392年までとされています。足利義満が将軍に就任した時代が、14世紀後半といえるでしょう。歴史好きの方にもぜひ見てもらいたいスポットです。
2.野鳥観察小屋
頂上からすぐ目の前にある、野鳥観察小屋にも足を運んでみてください。
疲れた足を休ませるのに良いですし、もしかしたら野鳥を見られるかもしれません。
季節によって観測できる野鳥は変わります。権現山で見られる代表的な野鳥は以下の通りです。
- アカゲラ(中型のキツツキ)
- コゲラ(小型のキツツキ)
- ウグイス
- シジュウカラ
- カッコウ
- メジロ
季節によってはカッコウ、ウグイスの鳴き声が聞こえてきそうです。
小屋の外を覗ける隙間からは、鳥たちの水飲み場を発見。
鳥の糞でしょうか。野鳥が来ている跡が見られてワクワクしました。
3.アマドコロの植栽地
権現山には、近くの学生さんたちが植えた「アマドコロ」がたくさんあります。
以前は「ヤマユリ」を植えていたそうですが、2020年から「アマドコロ」に変わりました。昔はアマドコロが自然に生えていたものの、残念ながら今はほとんど見られなくなってしまったそうです。そのため、権現山のアマドコロを復活させたいという地元の方々の想いから、植栽活動が始まったそうですよ。
4月~6月頃にはかわいい花が咲くそうなので、ぜひ訪れてみてください。
4.蓮神社
権現山に訪れたら、中腹にある「蓮神社(はちす)神社」にぜひ参拝していってください。
創建は鎌倉時代。明治7年に「熊野神社」と呼び名が変わり、明治42年に八寸村の7社が合わさって今の「蓮神社」となりました。
地元の人からは、開運・縁結びの神社として親しまれています。御祭神は「櫛御気野命(くしみけぬのみこと」と「豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)」の二柱。櫛御気野命は須佐之男命(すさのおのみこと)の別名とされ、熊野大社の御祭神でもあります。豊城入彦命は第10代崇神天皇の皇子で、東国開発にあたったとされています。権現山は豊城入彦命の墓という言い伝えがあることから、山がある豊城町の由来になっているのだとか。
お参りしてから登山をするのも、気持ちが晴れ晴れとしそうでおすすめです。
八寸権現山で気をつけたいこと
いよいよ山を登ろうという前に、少しだけ気をつけてもらいたいことを2つ紹介します。
- アマドコロ
- 駐車場
詳しく解説しますね。
アマドコロに気をつけて
登山中にアマドコロを踏まないよう、注意が必要です。
おすすめスポットとして紹介した通り、権現山の中腹には地元の学生たちが植えた「アマドコロ」があちこちにあります。
植栽された場所にはロープが張られていますが、私が歩いたときは下がっていたり緩んでいたりした所もありました。気になったので、ロープを引っ張り直してみたのです。もしかするとタイミングによってはロープが風で倒れるなどして、周りの草との境界線が分かりづらくなっているかもしれません。
足元に気をつけて、アマドコロを楽しみながら歩きましょう。
付近の駐車場は月極利用が多い
月極駐車場にうっかり停めないよう気をつけてください。
権現山の北側や西側にある駐車場は、月極利用者専用の駐車場です。
山の南側から入って蓮神社のすぐ下の鳥居脇に駐車スペースが設けられているので、ここに車を停めましょう。(参拝もぜひしていってください)
駐車場の場所は山の中腹のため、麓から登山を楽しみたい方は一度参道を降りてみるのがおすすめです。
八寸権現山をもっと楽しむ
権現山を登った後に立ち寄ってもらいたい、おすすめスポットを紹介します。同じ伊勢崎市内にある、青少年育成センターです。
育成センターには以下のものが合わせて設置されています。
- 公園
- 体育館
- 宿泊ができる研修施設
なぜここに立ち寄ってもらいたいかというと、施設と体育館をつなぐ通路の奥に権現山の「磨崖種子」があるからです。
磨崖種子は権現山の頂上に出ていた安山岩で、昭和58年に移設されました。大岩にはバイという梵字と蓮座が彫られており、多聞天(毘沙門天)を表しています。
看板に書いてありましたが、「文字が読めれば銀鞍白馬の武士が現れて金銀財宝を授ける」という伝説があるのだとか。
ぜひ文字を見つけてみてください。
名称 | 波志江権現山の磨崖種子 |
🗾住所 | 群馬県伊勢崎市波志江町2237-6 |
地図
まとめ・感想
今回は、群馬で一番低い山と言われている「八寸権現山(はちすごんげんやま)」に登ってきました。歩いてみたところ急というほどの傾斜はなかったため、登ってみたり降ってみたり、好きなルートで楽しめたのが良かったです。
次回はアマドコロが咲くという春に行ってみたいと思いました。
北関東道からのアクセスも近いので、群馬の山に興味がある方はぜひ立ち寄ってみてくださいね。