職場に新しい人が入ってきた。
中途採用の枠で、私より3、4歳年下の男性だ。
その人に私の業務の一部を教えることになったので、マニュアルを見直し・・・なんてライティングの話をしようかと思ったけど、やめた。
今回の話は、自分の仕事は他の人から見ると違った発見があるということ。
自分のことは自分が一番分かってると思うかもしれないが、案外見えてなかったりする。
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私が今の会社に入社した初日、退職すると決まっていた前任者からの引き継ぎ期間は3日しかなかった。
辞めたら一人でやらなきゃなんだと思って、とにかく同じ作業を叩き込み、聞きたいことは全部聞いた。
前任者からは「好きに変えてもらっていいからね」と言われたものの、どうしていいか分からなかったので全く同じように作業をした。
もちろん、最初は失敗だらけ。
それから数ヶ月経ち仕事にも慣れてきたころ、各課で効率化を求め作業の見直しが行われた。
「この業務、無くしていいんじゃない?」
私の仕事にも関わることで、業務そのものを無くしてもいいんじゃないかという話になった。
ちなみにその仕事が無くなれば、トータル30分くらいの時間が空く。
毎日残業して疲れていたので、早く終わるのは良いことのはずだった。
けれど私は反対の立場を取った。その仕事があることで皆にもメリットがあると知っているし、無くしてうまくいくか分からない不安もある。
結局、鶴の一声で無くなった。
最初は戸惑っていた皆もすぐに慣れ、私も時間が空いたことで気持ちが楽になった。
今、あの仕事をやるかと言われれば、やっぱりいらないなと断言できる。
毎日やる同じ作業は楽だ。考えないで手は動かせるし、早く進められるように感じる。
でも、周りから見ればあってもなくてもいい作業かもしれないし、他にもっと良い方法があるかもしれないのだ。
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「こんなにチェックしてるというか、フィルターをかけて細かく見てるんですね」
仕事がひと段落したとき、見習い中の彼が声をかけてくれた。
今教えているやり方は、私がやりやすいようにやって来た方法だ。
「どうしてもミスってあるんで、お互いチェックするようにしてもらってるんです。ありがたいですよね」
でも、ふと思った。
このやり方も無駄に時間をかけているだけで、もっと良いやり方があるかもしれない。
「これは私のやり方ですけど、好きに変えてもらって大丈夫ですからね」
「うーん・・・」
覚えることだらけのパンクしそうな状態で、これ以上何を?と歪んだ顔になった。
絶対にやる決まりごとはあるけれど、それ以外はやりやすいようにしていいんじゃないかと私は思う。
職場に吹く新しい風は、穏やかなのか激しいのか。
彼が、どういう風に仕事を作っていくかちょっと楽しみだ。
昨日と今日と明日と。日々の小さな幸せに感謝して❤️
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